長年、薄毛に悩み、皮膚科で処方されたミノキシジルの外用薬を使っていました。使い始めてからは、少しずつですが髪にハリが出てきて、抜け毛も減ったように感じていました。もうミノキシジルなしの生活は考えられない、と思っていた矢先、待望の妊娠が判明したのです。喜びと同時に、真っ先に頭をよぎったのは「ミノキシジルはどうしよう?」ということでした。すぐにインターネットで調べると、「妊娠中は禁忌」「胎児への影響」「催奇形性」といった不安な言葉ばかりが目に入ってきました。外用薬だから大丈夫かな、なんて甘い考えが一瞬よぎりましたが、万が一、お腹の赤ちゃんに何かあったら…と思うと、怖くて仕方がありませんでした。次の日、すぐに産婦人科と、ミノキシジルを処方してもらっていた皮膚科の両方に連絡を取り、相談しました。どちらの医師からも、やはり「直ちに使用を中止してください」という指示を受けました。皮膚科の先生は、「妊娠中はホルモンの影響で髪の状態も変化しやすいですし、ミノキシジルがなくても、産後にまた状態が変わることもあります。今はとにかく赤ちゃんのことを第一に考えて、安全策を取りましょう」と説明してくれました。頭では理解していても、また薄毛が進行してしまうのではないかという不安は正直ありました。せっかく改善してきたのに、という残念な気持ちも。でも、それ以上にお腹の赤ちゃんを守りたいという気持ちが強く、きっぱりとミノキシジルの使用をやめる決断をしました。使用をやめて数ヶ月経ちますが、今のところ、急激に薄毛が進行したという感じはありません。むしろ、妊娠によるホルモンの影響なのか、髪質が少し変わったような気もします。もちろん、今後の変化は分かりませんし、産後の抜け毛も心配です。でも、今はミノキシジルを使っていた頃のような強い不安はありません。それは、赤ちゃんの安全を優先できたという安心感があるからだと思います。妊娠中の薄毛対策としては、バランスの取れた食事を心がけたり、頭皮マッサージをしたり、ストレスを溜めないようにリラックスする時間を作ったりしています。劇的な効果はありませんが、できる範囲でケアを続けていくつもりです。ミノキシジルの中止は勇気がいる決断でしたが、私にとっては正しい選択だったと確信しています。