初期脱毛?それとも副作用?医師への相談目安

薄毛治療中に抜け毛が増加した場合、それが「初期脱毛」なのか、それとも薬剤の「副作用」や他の原因によるものなのか、自己判断するのは非常に難しいことです。「初期脱毛なら効果のサインだから我慢しよう」と考えていても、もしそれが別の問題であれば、放置することで状況が悪化してしまう可能性もあります。では、どのような場合に医師への相談を検討すべきなのでしょうか。いくつかの目安となるポイントがあります。まず、抜け毛が続く期間です。前述の通り、初期脱毛は一般的に治療開始後2週間~1ヶ月半頃に始まり、1~2ヶ月程度で落ち着くことが多いとされています。もし、治療開始から3ヶ月以上経過しても抜け毛が全く減らない、あるいはむしろ増え続けているような場合は、初期脱毛以外の可能性を考える必要があります。次に、抜け毛以外の症状の有無です。初期脱毛は基本的に抜け毛が増えるだけの現象ですが、もし抜け毛と共に、頭皮に強いかゆみ、赤み、発疹、痛み、フケの大量発生などの異常が見られる場合は、薬剤に対するアレルギー反応や接触性皮膚炎などの副作用が疑われます。このような場合は、すぐに薬剤の使用を中止し、医師の診察を受ける必要があります。また、全身的な副作用、例えば体調不良、めまい、動悸、むくみなどが現れた場合も、薬剤の影響が考えられるため、速やかに医師に相談してください。さらに、抜け毛のパターンも一つの判断材料になります。AGA治療中の初期脱毛は、もともと薄毛が気になっていた部位(生え際や頭頂部など)を中心に起こることが多いですが、もし円形に抜けたり、側頭部や後頭部も含めて全体的に急激に抜けたりするような場合は、円形脱毛症など他の脱毛症の可能性も考慮しなければなりません。少しでも「おかしいな」「いつもと違うな」と感じたら、決して自己判断せず、治療を受けているクリニックの医師に正直に状況を伝え、相談することが最も重要です。