プロペシアを服用し始めて数ヶ月、あるいは一年以上経っても、期待していたような効果が実感できない。そんな時、「自分にはプロペシアは効果がないのではないか」と不安や焦りを感じてしまうのは自然なことです。しかし、すぐに諦めてしまう前に、いくつか考えられる原因と、次に取るべき行動について冷静に考察してみましょう。まず考えられるのは、効果を実感するまでの期間がまだ足りないという可能性です。プロペシアの効果発現には個人差が大きく、一般的に最低でも半年以上の継続が必要とされています。人によっては一年以上かかるケースも報告されています。焦らず、もう少し辛抱強く継続してみる価値はあるかもしれません。次に、AGAの進行度がかなり進んでいる場合です。プロペシアは主に現状維持や軽度の改善を目的とする薬であり、毛包が完全に退行してしまっている状態からの発毛は困難です。治療開始が遅れるほど、効果を実感しにくくなる傾向があります。また、AGA以外の脱毛症が原因である可能性も考慮すべきです。円形脱毛症や脂漏性脱毛症など、他の原因による脱毛にはプロペシアは効果を示しません。正確な診断がなされているか、再度確認することも重要です。さらに、偽造薬や個人輸入品を使用しているケースも考えられます。インターネットなどを介して安価に入手した薬剤には、有効成分が含まれていない、あるいは異なる成分が含まれているリスクがあります。必ず医療機関で処方された正規品を使用するようにしましょう。生活習慣の乱れ(睡眠不足、栄養バランスの偏り、過度なストレスなど)も、治療効果を妨げる要因となり得ます。最後に、プロペシア(フィナステリド)に対する反応性が低い体質である可能性も否定できません。もし、一年以上適切に服用を続けても全く効果が見られない場合は、処方医に相談し、治療方針の見直しを検討する必要があります。ミノキシジルの併用や、他の治療法(自毛植毛など)への切り替えも選択肢に入ってくるでしょう。効果がないと感じても、自己判断で服用を中止せず、まずは専門医に相談することが、次の一手への重要なステップとなります。