AGA治療を決意し、内服薬とミノキシジル外用薬を使い始めたのは半年前のことです。医師からは「使い始めてしばらくすると、一時的に抜け毛が増える『初期脱毛』が起こることがあります」と説明を受けていました。頭では理解していたつもりでしたが、実際にその時が来ると、やはり動揺しました。治療開始から3週間ほど経った頃でしょうか。朝起きると、枕についている髪の毛の量が明らかに増えていることに気づきました。シャンプーをすれば、指に絡みつく髪の毛も、排水溝に溜まる量も、以前の比ではありません。「これが初期脱毛か…」と覚悟はしていたものの、毎日続く抜け毛の増加に、正直、心が折れそうになりました。「本当にこのまま続けて大丈夫なのか?」「薬が合わなくて、もっと酷くなったらどうしよう?」そんな不安が頭をよぎります。鏡を見るのが怖くなり、ついつい抜け毛の本数を数えては一喜一憂してしまう日々。仕事中も、ふとした瞬間に髪のことが気になって集中できないこともありました。一番辛かったのは、効果が出る保証がない中で、ただただ抜け毛が増えていくように感じられたことです。しかし、事前に医師から「初期脱毛は通常1~2ヶ月で収まることが多い」「効果のサインでもある」と聞いていたことを思い出し、「今は辛抱の時だ」と自分に言い聞かせました。クリニックにも相談し、「順調な経過の一部ですよ」という言葉に少し安心しました。そして、治療開始から2ヶ月半ほど経った頃、ようやく抜け毛の量が落ち着いてきたのです。ピーク時に比べると明らかに減り、以前と同じくらいの量に戻りました。それからさらに1ヶ月ほど経つと、産毛のような短い毛が生え際や頭頂部に生えてきていることに気づきました。あの不安な日々を乗り越えたからこその、小さな、しかし確かな変化。まだ道半ばですが、諦めずに続けて良かったと心から思っています。