厳しいトレーニングを積み重ね、驚異的な肉体を作り上げているトップアスリートたち。彼らの姿を見ていると、筋力トレーニングと髪の毛の関係について、何かヒントが得られるかもしれません。ボディビルダーやパワーリフター、ラグビー選手など、筋肉量が非常に多い競技のアスリートの中には、確かに頭髪が薄い選手も見受けられます。これを見て、「やはり激しい筋トレはハゲる原因なのか」と感じてしまう人もいるかもしれません。しかし、一方で、同じように筋肉隆々の体を持つアスリートでも、豊かな髪を維持している選手も数多く存在します。サッカーや野球、陸上競技など、他のスポーツ分野でも同様です。筋肉の発達度合いと髪の毛の状態には、必ずしも明確な相関関係があるとは言えないようです。これは、薄毛の最も大きな要因が、筋トレの有無や強度ではなく、個々人が持つ遺伝的な素因にあることを示唆しています。人種によってもAGAの発症率には差がありますし、同じトレーニングをしていても、髪への影響は人それぞれ異なるのです。ただし、トップアスリートを取り巻く環境が、髪に影響を与える可能性は考えられます。極限まで肉体を追い込むトレーニングによるストレス、厳しい体重管理や栄養摂取の偏り、パフォーマンス向上のためのサプリメント摂取(禁止薬物は論外ですが)、ヘルメットや帽子による頭皮への物理的な影響など、様々な要因が複合的に関わっている可能性があります。彼らの事例から学べることは、筋トレそのものが薄毛の直接的な原因とは断定できないということ、そして薄毛の原因は非常に多岐にわたるということです。一部のアスリートを見て「筋トレ=ハゲる」と結論づけるのではなく、個々の遺伝的背景や生活環境を考慮する必要があるでしょう。