原因不明の薄毛や抜け毛が続く、髪質が急に変わった、そして同時に他の体調不良も感じている…。そんな時、「もしかして甲状腺の病気が関係しているのでは?」と不安になるかもしれません。自己判断は禁物ですが、どのような場合に医療機関への受診を検討すべきか、そのタイミングと相談先について知っておきましょう。受診を検討すべきサインとしては、まず脱毛以外に甲状腺疾患を疑わせる症状がある場合です。具体的には、甲状腺機能低下症を疑う症状として、異常な疲労感・倦怠感、強い冷え、むくみ、体重増加(食欲がないのに太る)、便秘、皮膚の乾燥、気力の低下、物忘れ、声のかすれなど。甲状腺機能亢進症を疑う症状として、動悸、息切れ、多汗、手の震え、体重減少(食欲はあるのに痩せる)、イライラ感、不眠、下痢、眼球突出(バセドウ病の場合)などが挙げられます。これらの症状が複数当てはまり、かつ脱毛も気になる場合は、早めに受診することをお勧めします。また、特に思い当たる原因がないのに、全体的な薄毛(びまん性脱毛)が進行している場合や、眉毛の外側が薄くなってきた場合なども、一度検査を検討する価値はあるでしょう。何科を受診すればよいか迷うかもしれませんが、まずはかかりつけの内科医に相談するのが良いでしょう。あるいは、甲状腺疾患を専門とする内分泌科を受診するのも選択肢です。脱毛症状が特に気になる場合は、皮膚科を受診し、そこから必要に応じて内科や内分泌科を紹介してもらうという流れもあります。受診の際には、いつからどのような症状(脱毛の状態、他の体調変化)があるのか、既往歴、家族歴(家族に甲状腺疾患の人がいるか)、現在服用中の薬やサプリメントなどを正確に医師に伝えることが重要です。メモにまとめておくと良いでしょう。早期に原因を特定し、適切な治療を開始することが、薄毛の改善と全身の健康を取り戻すための最も大切なステップです。気になる症状があれば、ためらわずに医療機関に相談しましょう。