私は二十代後半から前髪の後退に悩み続けてきました。AGAクリニックに通いフィナステリドとミノキシジルを服用しできる限りの治療を続けてきました。そのおかげで頭頂部の薄毛は劇的に改善し抜け毛も止まりました。しかしどうしても改善しなかったのがM字部分の生え際でした。薬の効果で産毛は生えてくるのですがそれ以上太くならずあくまで産毛のまま。おでこの広さは変わらず前髪を下ろしても隙間ができてしまう現実に私は限界を感じていました。医師からは生え際の毛根は一度死滅すると薬での再生は難しいと告げられ絶望しました。そんな私が最後の望みを託したのが自毛植毛でした。自分の後頭部にあるAGAの影響を受けにくい元気な毛根を採取し薄くなった前髪部分に移植するという外科手術です。最初は手術という言葉に恐怖を感じ費用も高額なため躊躇しました。しかしこのまま一生前髪の悩みを抱えて生きるのかそれとも思い切って投資をして理想の髪を手に入れるのか。天秤にかけたとき後者の価値の方がはるかに重いと判断しました。私は一年分のボーナスをすべて注ぎ込み手術を受ける決断をしました。手術はFUE法というメスを使わない方法で行われました。局所麻酔をするため痛みはほとんどなく意識がある状態で音楽を聴きながら数時間で終了しました。術後のダウンタイムは一週間ほどで移植部分にかさぶたができましたが前髪を下ろせば隠せる程度でした。一番辛かったのはショックロスと呼ばれる一時的な脱毛期間でした。移植した毛がいったん抜け落ちてしまうのですがこれは正常な経過だと分かっていても不安でした。しかし半年が過ぎた頃から鏡を見るのが楽しくなりました。移植した場所から太くしっかりした髪が生えてきたのです。一年後私の前髪は見違えるほど復活しました。人工毛ではなく自分の髪なので色も質感も完全に馴染んでいます。風が吹いてもプールに入っても全く気になりません。美容院に行ってアップバングにしてくださいとオーダーできた時の感動は一生忘れないでしょう。M字部分が埋まったことで顔の印象が変わり自信がついたのか仕事でもプライベートでも積極的になれました。薬だけでは到達できなかったゴールに外科的なアプローチでたどり着けたのです。もちろん植毛は魔法ではありません。移植しなかった既存の髪はAGAの進行リスクにさらされているためフィナステリドの服用は一生続ける必要があります。しかし前髪のラインを作るという点において植毛に勝る治療法はないと断言できます。薬で治らないからといって諦める必要はありません。現代医療には植毛という強力な選択肢が残されています。もしあなたが薬の限界を感じているなら一度専門医に相談してみることをお勧めします。それは人生を変える大きな一歩になるかもしれません。
薬で治らない前髪の悩みを植毛で解決した男の話