私たちの髪の毛は、その重さの約8割が「ケラチン」という特殊なタンパク質でできています。ケラチンは、髪だけでなく爪や皮膚の角質層も構成しており、その頑丈さが髪のハリやコシ、弾力を生み出しています。つまり、健康で丈夫な髪を育むためには、このケラチンの「材料」となる栄養素を十分に食事から摂取することが不可欠です。ケラチンは、食事から摂るタンパク質が体内で分解されてできるアミノ酸を原料として、毛根の毛母細胞で作られます。特に、ケラチンにはシスチンというアミノ酸が多く含まれており、このシスチンはメチオニンという必須アミノ酸から体内で合成されます。ですから、ケラチンの生成を効率良く行うためには、メチオニンやシスチンを含む、良質なタンパク質を摂取することが非常に重要となります。良質なタンパク質を豊富に含む食品としては、以下のようなものが挙げられます。まず、肉類(鶏むね肉、ささみ、赤身の牛肉・豚肉など)です。動物性タンパク質は必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、体内での利用効率が高いとされています。次に、魚介類(鮭、まぐろ、アジ、サバ、エビ、イカ、タコなど)です。魚介類も良質なタンパク源であり、特に魚には健康に良い脂質であるオメガ3脂肪酸も豊富に含まれています。卵も、あらゆる食品の中で最もアミノ酸スコアが高い(必須アミノ酸をバランス良く含んでいる)と言われる完全栄養食品です。手軽に調理でき、様々な料理に使えるため、積極的に取り入れたい食材です。大豆製品(豆腐、納豆、きな粉、豆乳など)は、植物性タンパク質の代表格です。大豆タンパク質は必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、動物性タンパク質とは異なる健康効果も期待できます。特に女性の場合、大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするとも言われており、髪の健康にも良い影響を与える可能性があります。これらの食品を偏りなく、毎日の食事にバランス良く取り入れることで、髪の材料となるアミノ酸を十分に供給し、丈夫なケラチンを合成するサポートをすることができます。タンパク質が不足すると、髪の材料が足りなくなり、細く弱い髪しか育たなくなって抜け毛が増える原因となります。