血管の老化が招く抜け毛のリスク
私たちの体の中に張り巡らされた血管は、全ての細胞に命を吹き込むライフラインであり、髪の毛にとってもそれは例外ではありません。高血圧が続くと血管の内壁が傷つき、修復過程でプラークができたり壁が厚くなったりして、血管の老化現象である動脈硬化が進行します。血管が老化して硬くなると、心臓から送り出された血液の勢いが末端まで十分に伝わらなくなり、特に重力に逆らって血液を送らなければならない頭頂部は深刻な血行不良に陥りやすくなります。髪の毛を作る工場である毛包は、毛細血管から直接栄養を受け取って稼働しているため、血流が悪くなれば工場の稼働率は低下し、生産される髪の質も量も低下します。これが、加齢とともに髪が細くなり、薄くなる原因の一つでもありますが、高血圧によって血管年齢が実年齢よりも高くなっている人は、若くしてこの老化現象が頭皮で起きてしまうのです。また、硬くなった血管は微細な調節ができなくなるため、寒さやストレスなどの環境変化に対して柔軟に血流量をコントロールできず、頭皮が常に栄養不足の状態にさらされることになります。さらに、血管の老化は頭皮の弾力性低下にも繋がります。健康な頭皮は水分を保ち、柔らかく厚みがありますが、血行不良の頭皮は乾燥して硬くなり、薄く突っ張った状態になります。このような痩せた土壌では、太く強い髪が根を張ることは難しく、簡単に抜け落ちてしまうのです。血管年齢を若く保つことは、見た目の若さを保つことと同義であり、血圧コントロールを通じてしなやかな血管を維持することが、将来の抜け毛リスクを減らすための最も根本的なアンチエイジング対策と言えるでしょう。