女性の薄毛治療薬として、世界で初めてその効果と安全性が認められた内服薬が「パントガール」です。びまん性脱毛症や分娩後脱毛症など、特定の原因によらない女性の薄毛に対して、広く用いられています。日本ではまだ未承認の薬ですが、多くの薄毛専門クリニックで処方されています。では、このパントガールは、市販の育毛サプリメントと何が違うのでしょうか。その実力と特徴を詳しく見ていきましょう。パントガールとサプリメントの最大の違いは、パントガールが「医薬品」であるという点です。サプリメントは、あくまでも健康維持や栄養補給を目的とした「食品」であり、特定の病気に対する治療効果を謳うことはできません。一方、パントガールは、臨床試験によって女性の薄毛に対する有効性が確認された、治療目的の医薬品なのです。その主な有効成分は、「パントテン酸カルシウム」「ケラチン」「L-シスチン」「薬用酵母」などです。これらは、髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)や、その生成を助けるアミノ酸、ビタミンB群といった、健康な髪を育むために不可欠な栄養素で構成されています。パントガールは、これらの栄養素を毛根に直接届け、毛母細胞の働きを活性化させることで、弱った髪を内側から強くし、抜け毛を減らし、髪の質を改善する効果が期待できます。ホルモンに直接作用する薬ではないため、スピロノラクトンのような重い副作用の心配が比較的少ないのも大きな特徴です。ただし、医薬品である以上、効果には個人差があり、効果を実感するまでには、ヘアサイクルに合わせて最低でも3ヶ月から6ヶ月の継続服用が必要です。また、AGAのように男性ホルモンが強く関与している薄毛に対しては、パントガール単体での効果は限定的とされています。パントガールは、髪が育つための「土壌に栄養を与える肥料」のようなものとイメージすると分かりやすいかもしれません。あなたの薄毛の原因が、栄養不足やストレスによる頭皮環境の悪化にある場合、パントガールは非常に有効な選択肢となり得ます。しかし、自己判断で個人輸入などせず、必ず専門医の診断のもとで、ご自身の症状に適しているかを判断してもらうことが大切です。
飲む育毛剤パントガールの実力と育毛サプリとの違い