AGA治療が順調に進みある程度髪が生え揃って満足のいく状態になると多くの患者さんが次に考えるのがいつまでこの強い薬を飲み続けるべきかということです。費用面や副作用への懸念からできることなら薬を減らしたいあるいは止めたいと考えるのは自然なことです。しかしAGA治療において減薬や休薬は非常に慎重に行うべきプロセスでありそのタイミングと期間の見極めが成功の鍵を握ります。自己判断での急な中止はリバウンドを招くため計画的な維持療法への移行戦略が必要です。減薬を検討しても良い一つの目安となるタイミングは治療効果が頭打ちになり状態が安定してから最低でも半年から一年以上が経過した時点です。髪が増え続けている成長段階で薬を減らすのは時期尚早でありせっかくの勢いを止めてしまう恐れがあります。十分に髪が育ちその状態が長期間キープできていることが確認できて初めて守りの治療へのシフトを検討する土台が整います。医師と相談しマイクロスコープなどで毛根の状態を確認した上で段階的に薬の量を調整していくのが一般的な流れです。維持療法への移行方法としてはいくつかのパターンがあります。例えば毎日服用していたフィナステリドを二日に一回に減らす方法や発毛効果の強いミノキシジルの内服を止めて外用薬のみに切り替える方法などです。またデュタステリドのような強力な薬からフィナステリドへ変更することもあります。この減薬の期間中は抜け毛が増えないか髪のボリュームが減らないかを注意深くモニタリングする必要があります。もし悪化の兆候が見られればすぐに元の用量に戻さなければなりません。この調整期間は数ヶ月単位で慎重に進める必要があります。完全に薬を止める休薬に関してはAGAが完治しない疾患である以上基本的には推奨されませんが妊活など特定の期間に限って行うケースはあります。この場合休薬期間は必要最小限に留めるべきであり目的が達成され次第速やかに再開することが望ましいです。休薬期間が長引けば長引くほど薄毛は進行し再開後の回復に時間を要することになります。また高齢になり見た目を気にしなくなった段階で治療を卒業するという意味での完全休薬もありますがこれは本人の価値観による最終的な決断となります。維持療法の期間については髪を保ちたいと思う限り続くことになりますが減薬に成功すれば経済的身体的な負担は大幅に軽減されます。大切なのはゼロか百かで考えるのではなく自分の状態に合わせて五十や七十の治療強度に調整していくという柔軟な発想です。AGA治療はアクセル全開で走り続ける必要はありません。巡航速度に入ったらギアを落として燃費良く走り続けることが長く付き合っていくためのコツです。適切なタイミングでのギアチェンジを医師と共に判断し無理のない範囲で維持期間を過ごしてください。