鏡で自分の頭皮を見たときその色は何色をしているでしょうか。健康な頭皮は青白く透き通った色をしていますがもし赤っぽくなっていたりピンク色を帯びていたりする場合は要注意です。頭皮の赤みは炎症が起きている明確なSOSサインであり放置すればAGAの進行を劇的に早めてしまう危険性があります。「痛くないから大丈夫」「いつものことだから」と軽視していると気づいたときには取り返しのつかないほど薄毛が進行しているかもしれません。頭皮が赤くなる原因は様々です。洗浄力の強いシャンプーによる刺激、紫外線のダメージ、カラーリングやパーマの薬剤かぶれ、寝不足やストレスによる血行不良、そして過剰な皮脂による常在菌の繁殖などが挙げられます。これらの刺激によって頭皮の細胞がダメージを受けると防御反応として炎症性サイトカインという物質が放出されます。この物質が毛細血管を拡張させるため頭皮が赤く見えるのです。問題なのはこの炎症性サイトカインが毛根に対して「脱毛指令」を出したり毛母細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導したりする作用を持っている点です。つまり炎症はただ赤いだけでなく積極的に髪を殺しにかかっている状態とも言えるのです。AGAを発症している人の頭皮ではジヒドロテストステロンの影響でヘアサイクルが短縮されていますがそこに炎症が加わると火に油を注ぐような事態になります。慢性的な炎症は毛包の繊維化を招きやがて毛包そのものを消失させてしまうこともあります。一度消失した毛包から髪が再生することはありません。AGA治療において「抜け毛を減らす」ことは重要ですがそれ以前に「頭皮の赤みを消す」ことが最優先課題となるケースも少なくないのです。特に注意が必要なのが「脂漏性皮膚炎」による赤みです。Tゾーンや頭皮がベタつきやすく赤みや大きめのフケを伴う場合はこの疾患の可能性が高いです。マラセチア菌というカビの一種が関与しており自然治癒は難しいため皮膚科での専門的な治療が必要です。またAGA治療で使用されるミノキシジル外用薬が合わずに接触性皮膚炎(かぶれ)を起こして赤くなっている場合もあります。良かれと思って塗っている薬が炎症の原因になっているのであれば直ちに使用を中止し医師に相談しなければなりません。対策としてはまず刺激の原因を取り除くことです。シャンプーを見直し紫外線対策を行い睡眠をしっかりとる。そして頭皮を清潔に保ちつつ保湿を行うことが基本です。しかし赤みが強い場合や長期間続いている場合はセルフケアだけで治すのは困難です。AGAクリニックや皮膚科を受診しステロイド外用薬や抗炎症剤抗ヒスタミン薬などを処方してもらいまずは炎症という火事を消火することに専念しましょう。AGAの治療薬(フィナステリドなど)と抗炎症治療は並行して行うことが可能です。