AGA治療を検討している人や既に治療中の人にとって最も重いテーマの一つがこの治療はいつまで続くのかという期間に関する問いでしょう。風邪や怪我のように完治して治療終了となるのが理想ですが残念ながら現在の医学ではAGAを根本的に完治させる方法は確立されていません。AGAは進行性の疾患であり治療薬によって進行を食い止めている状態に過ぎないからです。つまり薬の服用を止めればその時点から再び薄毛の進行が始まり元の状態に戻ってしまう可能性が極めて高いのです。そのため基本的には治療は一生あるいは髪の毛を保ちたいと願う期間はずっと継続する必要があります。一生続くと聞くと多くの人が経済的な負担や手間の面で暗い気持ちになるかもしれません。終わりのないマラソンを走らされるような絶望感を感じることもあるでしょう。しかし考え方を変えれば治療を続けている限りは髪を維持できるという希望でもあります。また治療期間には段階があり最初から最後まで同じ強度の治療を続ける必要はありません。一般的には発毛を目的とする攻めの治療期間とある程度生え揃った髪を維持する守りの治療期間に分けられます。最初の半年から一年程度は複数の薬を併用して積極的に発毛を促しますが満足のいく状態になれば薬の種類を減らしたり服用頻度を調整したりして維持療法へと移行することが可能です。維持療法に移行すれば毎月の治療費も抑えられますし通院の間隔も空けることができます。完全に止めることはできなくても負担を減らしながら長く付き合っていくことは十分に可能なのです。また年齢を重ねるにつれて髪に対する価値観も変化していくものです。二十代や三十代の頃はフサフサであることが重要でも六十代や七十代になれば年相応の薄さでも気にならなくなるかもしれません。自分がいつまで髪を必要とするかというゴールラインを自分で設定しそれまでの期間を治療期間と捉えることで精神的なプレッシャーは軽減されます。一生という言葉に縛られすぎずライフステージに合わせて柔軟に治療方針を見直していくことが大切です。さらに医学の進歩も希望の光です。現在は毎日薬を飲む必要がありますが将来的には数ヶ月に一回の注射で済む治療法や毛包そのものを再生する技術が実用化される可能性もあります。そうなれば治療期間という概念そのものが変わるかもしれません。今私たちが取り組んでいるのは現在の最善策としての継続治療ですが未来永劫同じ方法を続けなければならないとは限らないのです。新しい技術が登場するまでの間今の髪を守り抜くというスタンスで治療を続けるのも一つの考え方です。AGA治療との付き合いは長期戦ですがそれは自分自身の美意識や生き方との対話でもあります。毎日の服薬をただの義務と捉えるのではなく自分への投資であり若さを保つためのルーティンだとポジティブに捉え直してみてはどうでしょうか。